立方型/直方型熱交換器
立方型/直方型熱交換器は、トーカベイトのモノブロックに多数の穴の列を一段おきに直角に交差するようにあけた立方/直方型の本体と、その周りを囲む液室と押え板から成っています。
2つの流体は、互いに直角方向に本体内を通過し、その間に熱交換が行われます。液室は、プロセス側にはトーカベイト、サービス側には金属を用いるのが一般的ですが、各種ゴムライニングやPTFEライニング、両側をトーカベイトとして、プロセスープロセスとすることも可能です(詳細は一般仕様の項目を参照ください)。
立方型/直方型熱交換器は、本体ブロックにかかる荷重が全て圧縮力であり、周りを鋼板で覆っているため、黒鉛製品としては堅牢な構造です。また、非常にコンパクトなため、据付け床面積は小さくて済みます。
立方型熱交換器には、竪型と横型があり、その構造は以下の図を参照ください。
立方型熱交換器用の本体ブロック
本体ブロックは全てモノブロック(一体ブロック)から加工するため、貼り合わせ接着面がありません。貼り合わせブロックと比較すると、機器寿命や耐食性に大変有利です。穴径は、プロセス側、サービス側ともにφ9mmになります。
横型立方型熱交換器
プロセス側、サービス側ともにパスをきるのが容易なため、穴内の流速を上げることができ、機器設計の範囲が広いメリットがあります。また、サービス側の液室をトーカベイトにすることが可能ですので、プロセス-プロセス間の熱交換が可能です(下図のin-out方向や、ノズル位置は一例です)。
竪型立方型熱交換器
竪型立方型熱交換器は、下図のようにプロセス流体が上部から下部へ流れるため、構造上液だまりが生じる部分がありません。このため、医薬中間体の製造プロセスなど、液だまりを嫌うプロセス中のコンデンサーとして多数実績がございます。
伝熱面積
型式の見方
例)EC10CS1-8
EC…EC:立方型、ECD:長方型
10…ブロックの記号
CS…左側→プロセス側の液室材料 右側→サービス側の液室材料
C:トーカベイト
S:金属材料(炭素鋼、ステンレス鋼)
R:ライニング
1-8…左側の数字:プロセス側の流路(パス)数
右側の数字:サービス側の流路(パス)数
一般的な仕様
対応法規 | 第一種圧力容器、第二種圧力容器、小型圧力容器など |
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横型立方型熱交換器 | 竪型立方型熱交換器 | |
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プロセス(A面)側 液室材料 | トーカベイト※ 各種ゴムライニング PTFEライニング | トーカベイト※ |
サービス(B面)側 液室材料 | 炭素鋼※ ステンレス鋼※ トーカベイト 各種ゴムライニング PTFEライニング | 炭素鋼※ ステンレス鋼※ 各種ゴムライニング PTFEライニング |
※印は標準仕様