多管式熱交換器
多管式熱交換器は、その汎用性と経済性から、多くのユーザー様に使用されています。
当社では、大型の機器においても、管板や液室をモノブロックから切削加工するため、貼り合わせによる接着面がありません。
右写真は、当社でも最大クラス(シェル径70インチ)の熱交換器ですが、管板、液室(最大外径φ1940mm)はモノブロックとなっております。
多管式熱交換器は、シェルブロック型(円柱型)熱交換器と比べ、以下の利点があります。
- プロセス側のガスケット枚数が少ないため、ガスケット交換が容易
- 漏れが生じた場合、漏れチューブの特定が容易であり、現地での検査が可能
(シェルブロック型の場合は、ブロック一つ一つの検査が必要) - 漏れチューブの交換やプラグ打ちによる漏れの修理が簡単
(シェルブロック型の場合は、ブロック交換が必要)
伝熱管の標準寸法
伝熱管の外径×内径寸法(mm)は、以下の寸法のものがあります。
- 22A:φ32×φ22
- 25A:φ38×φ25
- 40A:φ51×φ38
伝熱管径が細いほど伝熱管ピッチ寸法を小さく設定でき、シェル径内の本数を増やすことができるため、同一シェル径比では伝熱面積をより大きくすることができます。スラリーやジェル状の流体の場合は、伝熱管内径を大きくすることにより、詰まりにくくすることができます。
伝熱管の有効長さは、1000~6000mmから任意に設定することが可能です。
(4000mmを超える場合は、繋ぎ処理となります。)
標準型式の伝熱面積
標準型式の見方
例)10ES11-4B014
10…シェル内径(インチ)
ES…多管式
1…管外流路数(胴側流路数)
1…管内流路数
-4…伝熱管径
無:22A(φ22 ID)
4:25A(φ25 ID)
5:40A(φ38 ID)
B…伝熱管有効長
A:2000mm、B:3000mm、C:3500mm、D:4000mm、
E:4500mm、F:5000mm、G:5500mm、H:6000mm
014…伝熱管本数
一般的な仕様
対応法規 | 第一種圧力容器、第二種圧力容器、小型圧力容器など |
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シェル材質 | 炭素鋼、ステンレス鋼、各種ゴムライニング、PTFEライニング、 Zrライニング、FRPなど |
液室材質 | トーカベイト、各種ゴムライニング、PTFEライニング、Zrライニング、 FRPなど |
邪マ板材質 | 炭素鋼、ステンレス鋼、トーカベイト、PVCなど |
据付け方向 | 水平、垂直、傾斜 |
CARBOGUARD 炭素繊維強化チューブ
プレテンションカーボンファイバーを黒鉛チューブに巻き付け、温度衝撃や圧力衝撃への耐性を向上させています。(特別仕様)
- 機械的強度の向上
- 30~40%の破裂圧力の向上
- 差圧0.2~0.5MPaまでの漏れ防止機能
- 破砕防止